概要
画像変位計測システム「地すべり50」は、一眼カメラなどで撮影した画像を用いて、長期間にわたる実変位量の変位計測をおこなうことができるシステムです。
画像変位計測システム 共通の特徴
非接触・ノンターゲット
画像内の特徴的な箇所を任意に計測領域にできるため、対象物へ計測ターゲットや計器を取り付けることなく、完全非接触・ノンターゲットでの計測が可能です。接近が難しい箇所や到達に労力がかかっていた箇所でも、遠方から安全に計測を実施することができます。
多点同時計測
1台のカメラで、一度に画像内の複数の点を同時に計測できます。計測点につき1台の計器が必要なタイプの機器に比べて効率よく測れます。また、画像をベースに作業をおこなうためどの計測箇所のデータなのかも一目瞭然です。
計測点の事後追加や後解析が可能
撮影した画像をもとに解析をするため、設定を変えて何度でも再解析をおこなえます。画像内で当初予定になかった箇所へ新たに計測点を設定して解析してみることも可能です。
地すべり50の特徴
長期間の計測
固定架台にカメラを設置し、1年以上の長期計測をおこなえます。1時間ごと、半日ごと、1日1回、1週間に1回など任意の間隔で長期間の計測が可能です。
広範囲・多点
ノンターゲットで計測できるため、広い範囲に多くの計測点を設定することも容易です。接触式の機器では多くの台数が必要になる計測(斜面の面的計測など)も簡単に実現できます。
遠方から安全に
ターゲットや機器を計測対象箇所に設置しなくてもよいため、崩落の可能性がある斜面や、すでに災害が発生したあとの斜面などに対しても、遠方から安全に計測をおこなえます。
メール警報機能
設定した管理値を超えた変位が観測された場合、警報メールを発する機能を標準搭載しています。
事後解析
画像変位計測では、蓄積した画像データを使用していつでも再解析をおこなえます。例えば計測期間中に斜面の特定の部分が動いた場合、その付近に集中して計測点を作り、過去からの変位を事後的に追加で解析するようなことも可能です。
用途例
斜面の常時監視
構造物の変動の長期監視
主な仕様
名称 | 画像変位計測システム 地すべり50 |
撮影の種類 | 静止画 |
計測(撮影)の間隔 | 10分 / 1計測回 ~ |
想定計測期間 | ~ 数年 |
計測(撮影)の実施方法 | 自動(PCによる制御) |
リアルタイムの結果確認 | 約5分後~ ※撮影枚数と計測点数で変動 |
カメラの据付や固定 | 固定架台で設置 |
外部電源 | 必要(AC100V) |
計測対象範囲 ※1 | やや広い |
計測精度の目安 ※2 | 0.1mm単位(50mmレンズ使用時) |
※1:弊社の「画像変位計測システム」製品群のなかで比較した場合の相対的な立ち位置を示すものであり、優劣を評価するものではありません。一般に計測可能範囲の広さと計測精度はトレードオフの関係になります。また、使用するレンズによっても多少変化します。
※2:カメラから計測対象までの距離(撮影距離)が20m程度で良好な条件下での標準的な精度イメージです。実際の計測精度は、計測対象のコントラスト、撮影距離、気象条件、明るさ、計測期間などにより大きく異なります。