概要
動画像変位計測システム「Zoom300」(旧名称:OpticG 2D / 支承ドクター)は、一眼カメラや業務用ビデオカメラで撮影した動画像を用いて、実変位量での変位計測をおこなうことができるシステムです。
画像変位計測システム 共通の特徴
非接触・ノンターゲット
画像内の特徴的な箇所を任意に計測領域にできるため、対象物へ計測ターゲットや計器を取り付けることなく、完全非接触・ノンターゲットでの計測が可能です。接近が難しい箇所や到達に労力がかかっていた箇所でも、遠方から安全に計測を実施することができます。
多点同時計測
1台のカメラで、一度に画像内の複数の点を同時に計測できます。計測点につき1台の計器が必要なタイプの機器に比べて効率よく測れます。また、画像をベースに作業をおこなうためどの計測箇所のデータなのかも一目瞭然です。
計測点の事後追加や後解析が可能
撮影した画像をもとに解析をするため、設定を変えて何度でも再解析をおこなえます。画像内で当初予定になかった箇所へ新たに計測点を設定して解析してみることも可能です。
Zoom300の特徴
動画での連続的な計測
Zoom300は、動画像を用いて比較的短時間に発生する連続的な挙動の計測をおこなえます。たとえば、荷重通過時の桁たわみなどを一連の連続した挙動として捉えることが可能です。
足場設置や交通遮断が不要
ターゲット設置なしで離れた場所から計測できることから、計測機材やターゲットを設置するための足場/高所作業車、作業のための交通の遮断、関連する許可申請といった労力を大きく削減できます。また、橋梁のうち河川直上部など、従来計測が難しかった箇所についても、ノンターゲットで計測できるZoom300なら簡単に計測できる可能性があります。
各種登録情報
NETIS
Zoom300は、国土交通省の「新技術情報提供システム(NETIS)」登録技術です。
登録番号:KK-240033-A
性能カタログ
Zoom300は、国土交通省の「点検支援技術性能カタログ」掲載技術です。
登録番号:BR030004-V0424 (2024年版)
用途例
構造物(橋梁桁、建物など)のたわみ計測
支承・高架橋・吊り橋などの健全性診断
道路照明・看板などの挙動解析
構造物の振動解析
アンダーピニング時の挙動確認
主な仕様
名称 | 動画像変位計測システム Zoom300 |
撮影の種類 | 動画 |
計測(撮影)の間隔 | 標準30fps(30Hz) 最大240fps(240Hz) |
想定計測期間 | ~ 数時間 |
計測(撮影)の実施方法 | 手動撮影 |
リアルタイムの結果確認 | 不可(撮影後にPCへ動画を取り込んで解析) |
カメラの据付や固定 | 撮影時に三脚で設置 |
外部電源 | 不要(バッテリー駆動) |
計測対象範囲 ※1 | 狭い |
計測精度の目安 ※2 | 0.1mm以内(300mmレンズ使用時) |
※1:弊社の「画像変位計測システム」製品群のなかで比較した場合の相対的な立ち位置を示すものであり、優劣を評価するものではありません。一般に計測可能範囲の広さと計測精度はトレードオフの関係になります。また、使用するレンズによっても多少変化します。
※2:カメラから計測対象までの距離(撮影距離)が20m程度で良好な条件下での標準的な精度イメージです。実際の計測精度は、計測対象のコントラスト、撮影距離、気象条件、明るさ、計測期間などにより大きく異なります。